当院で行う、睡眠障害の主な治療
当院では、患者さま一人ひとりの症状や原因に応じて、生活習慣改善、薬物療法、心理的アプローチ、機器を用いた治療などを組み合わせて、総合的に睡眠障害の治療を行っています。以下に、代表的な睡眠障害と当院で行う治療例をご紹介します。
不眠症
症状・特徴
入眠に時間がかかる、夜中に目が覚める、早朝に目覚めるなどの症状が3か月以上続き、日中の集中力低下や倦怠感が生じる状態です。慢性的な不眠は生活の質に影響を与えます。
対応する検査
睡眠日誌やアクチグラフィーを用いて、就寝・起床時間や睡眠パターンを記録・解析します。また必要に応じて睡眠ポリグラフ検査(PSG)を実施し、他の睡眠障害の有無を確認します。
治療方法
- 睡眠衛生指導
- 認知行動療法(CBT-I)
- 薬物療法
睡眠時無呼吸症候群
症状・特徴
睡眠中のいびきや呼吸の停止、日中の強い眠気、起床時の頭痛や集中力低下が見られます。肥満や顎の形状、鼻づまりなどが背景にあることが多く、放置すると高血圧や心血管疾患のリスクが高まります。
対応する検査
自宅で行う簡易型睡眠検査や終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)により、睡眠中の呼吸停止や酸素飽和度低下の頻度を測定します。
治療方法
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
- 生活習慣改善
- 減量サポート
ナルコレプシー
症状・特徴
日中の耐え難い眠気が持続し、情動脱力発作(カタプレキシー)が生じることがあります。睡眠と覚醒のリズムが異常で、社会生活や学業・仕事に支障をきたすこともあります。
対応する検査
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)や、反復睡眠潜時検査(MSLT)を行い、日中の眠気の強さやレム睡眠の出現タイミングを確認して診断します。
治療方法
- 薬物療法
- 生活指導
- 心理的サポート
特発性過眠症
症状・特徴
十分な睡眠をとっても、日中に強い眠気が生じます。眠気により学業や仕事への集中力が低下し、生活の質に大きな影響を与えます。
対応する検査
MSLT検査や睡眠日誌により日中の眠気を評価します。また終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で睡眠の質や他の睡眠障害の有無も確認します。
治療方法
- 薬物療法
- 生活指導
むずむず脚症候群(RLS)
症状・特徴
夕方から夜間にかけて足にむずむず感や不快感が生じ、動かすと一時的に改善する特徴があります。睡眠が妨げられ、日中の眠気や倦怠感を引き起こすことがあります。
対応する検査
症状の問診に加え、必要に応じて睡眠ポリグラフ検査(PSG)や血液検査で鉄欠乏の有無を確認します。周期性四肢運動障害(PLMD)の有無も併せて評価します。
治療方法
- 薬物療法
- 生活指導
レム睡眠行動障害(RBD)
症状・特徴
夢の内容に合わせて体が動き、暴力的行動や叫び声が出ることがあります。50歳以上の男性に多く、パーキンソン病やレビー小体型認知症の前兆となる場合があります。
対応する検査
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)により、レム睡眠中の筋緊張の異常や異常運動の発現を評価します。神経学的評価と組み合わせて診断します。
治療方法
- 薬物療法
- 寝室環境の安全対策
- 関連疾患の評価と管理
概日リズム睡眠障害
症状・特徴
睡眠時間帯が社会生活とずれてしまい、夜眠れず朝起きられないなどの症状が現れます。若年者では睡眠相後退、加齢に伴い睡眠相前進が見られます。
対応する検査
睡眠日誌やアクチグラフィーで睡眠・覚醒リズムを記録し、体内時計のずれを評価します。
治療方法
- 光療法
- 睡眠衛生指導
- 薬物療法
