こどもの睡眠について
こどもの健やかな成長のためには、良質な睡眠が欠かせません。
こどもの睡眠を考える際には、睡眠のリズム、睡眠の量(睡眠時間)、睡眠の質(眠っている間の様子)の3つの視点からバランスよく確認することが大切です。
「良い睡眠とは何か」という問いに、すべての子どもに当てはまる明確な答えがあるわけではありません。しかし、以下のような状態が保たれており、朝起きてすぐに日中の活動に入れる場合は、比較的良好な睡眠がとれていると考えられます。
睡眠のリズム
睡眠のリズムとは、寝る時間と起きる時間の規則性や、社会生活との調和を指します。
- 毎日ほぼ同じ時間に就寝・起床している
- 平日と休日で生活リズムが大きく変わらない
- 年齢に合った回数・タイミングで眠っている
- 学校や家庭生活のリズムと無理なく合っている
睡眠と覚醒のリズムが安定することで、体内時計が整い、日中の集中力や情緒の安定にもつながります。
睡眠の量(睡眠時間)
睡眠時間には個人差がありますが、年齢に応じて必要な睡眠時間を確保できているかが重要です。
- 毎日、本人にとって十分な睡眠時間がとれている
- 布団に入ってから20分以内に自然に眠りにつける
- 朝、目覚ましに頼りすぎず起きられる
- 起床後すぐに活動を始められる
慢性的な睡眠不足は、成長ホルモンの分泌低下や、学習意欲・集中力の低下につながることがあります。
睡眠の質(眠っている間の様子)
睡眠の質は、眠っている最中や前後の様子から判断します。
- 寝起きが良い
- いびきや呼吸の乱れがない
- 寝ている間に痛みや強い不快感を訴えない
- 夜中に何度も目を覚ましていない
特に、いびきや呼吸が止まる様子が見られる場合は、小児の睡眠時無呼吸症候群などが隠れている可能性もあります。
睡眠トラブルを整理するポイント
こどもの睡眠に問題があると感じた場合も、
「リズム・量・質」の3つに分けて考えることで、原因や対応策が見つけやすくなります。
- 寝る時間が不規則なのか
- 睡眠時間が足りていないのか
- 眠りの質に問題があるのか
気になる症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
こどもの睡眠
子どもに必要な睡眠時間は、成人とは大きく異なります。
米国国立睡眠財団(NSF)では、年齢ごとの目安として以下の睡眠時間を推奨しています。
| 年齢 | 睡眠時間 |
|---|---|
| 1~2歳 | 11~14時間 |
| 3~5歳 | 10~13時間 |
| 6~13歳 | 9~11時間 |
| 14~17歳 | 8~10時間 |
成長や発達のためには、年齢に応じた十分な睡眠が不可欠です。
しかし現代では、学校や塾、部活動、習いごとなどで子どもの生活は忙しく、夜もゲームやスマートフォンなどの刺激にさらされがちです。さらに家族全体の生活リズムが不規則になることで、実際の睡眠時間が不足している子どもは少なくありません。
子どもによくみられる睡眠症状
子どもの睡眠トラブルは、時間帯によって次のような形であらわれることがあります。
① 寝入り前・寝入り直後
- なかなか眠れない、眠ろうとしない
- 脚がむずむずして落ち着かない
② 夜中
- 夜中に目が覚めて再び眠れない
- 夜泣きが激しい
- 寝ぼけて叫ぶ、立ち歩く
- いびきがある、呼吸が何度も止まる
③ 朝
- 起きられない
- 目が覚めても動けない(頭痛、だるさ、立ちくらみ、吐き気など)
- 寝起きが悪い
④ 日中
- いつも疲れている
- 授業中に居眠りをする
- ぼんやりしてミスが多い
- イライラしやすく、かんしゃくを起こしやすい
受診を検討すべきポイント
これらの症状の背景には、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害や心身の病気が隠れていることもあれば、生活習慣の乱れや睡眠に対する誤った認識が原因となっている場合もあります。「成長の途中だから仕方ない」「性格の問題」と決めつけず、気になる症状が続く場合は、早めにご相談ください。
当院での診療について
当院では、現在の睡眠状況や日中のご様子、これまでの睡眠の経過をできるだけ丁寧にうかがい、睡眠に問題があるかどうか、その程度を総合的に評価します。
睡眠に何らかの問題が疑われる場合には、その背景にある原因についても詳しく確認していきます。
睡眠障害そのものだけでなく、身体的・精神的な病気、心理的なストレス、生活習慣、寝室環境などを含め、問診や必要な検査を通して多角的に評価します。
治療は、原因や診断に応じて
- 生活習慣の見直し
- 病気に対する薬物療法
- 睡眠に関する正しい知識の提供(睡眠教育)
- 心理的アプローチ
などを組み合わせ、一人ひとりに合った方法で進めていきます。
